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それから2日後、その行商人とやらがやってきた。

大きな荷台には、たくさんの品が乗っている。

医者の話によると、この村にはないような珍しい品もあるようだ。

少女に渡せるような物もあるだろうか、

と期待してその行商人を訪ねようとしたが、

重要なことを忘れていた。

私は、お金のような物を何も持っていない。

それでは何も買えないではないか。

今までまるで気付いていなかった自分に、さすがに呆れたが、

その辺を医者はちゃんと分かってくれていたらしい。

「少しだけど」と、私にお金を渡してくれた。

本当にこの村には親切な人が多い。

彼にも何かを返さねば、と思ったが、

まずは少女への贈り物を捜すことが先決だった。

どうせなら装飾品がいい。

運良く、行商人は装飾品の類も品物として持っていた。

どんな物がいいかしばらく悩んだ後、

地味だが少女によく似合いそうな首飾りを選んだ。

他にもっと珍しそうな品もあったのだが、

しかしその首飾りが、やけに目についたのだ。

少女がくれた、あの貝殻のように。

一目惚れとはこのような感覚を言うのだろうか。

さすがに装飾品に恋をする人間などいないだろう、

などとよく分からないことを考えながらも、

これがいいと言うと、行商人は一瞬、苦笑にも似た表情を浮かべてみせた。


「これが、何か?」


何か可笑しいのだろうかと尋ねた私に、

行商人は、いえ、と微笑した後、


「ちょっと人気の商品でしてね。

でもまぁ、欲しがってる人に売るのが一番ですし」


そうなのか、あまり女性には好まれそうではないと思うのだが。

それを女性に贈ろうとしている私もどうかとは思うが、

しかし少女に似合うと感じたのだから仕方ない。

値段を聞くと、驚く程安かった。

医者から渡された小遣いでも、十分お釣りが来る程だった。

人気ならばもっと高く売ればいいものを、

きっとこの人は商売人としての才能がないに違いない。

失礼なことを内心思いながら、行商人から商品を受け取った。

少女は一体どんな顔をするのだろうか。

喜んで、くれるだろうか。

渡す時が楽しみだった。




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