小犬と野良猫 -


あんたはナマケモノ、とは誰の言葉だったろうか。

母親だったろうか、妹だったろうか、

それともクラスメートだったろうか。

まぁ確かにそうだけど、と答えた記憶は残っている。

名前からして俺にぴったりだ。

いやだがしかし、奴らはそれでいいのだろうか。

だってナマケモノだぞ、ナマケモノ。

日本だけの名前だったとしてもあんまりじゃないか。

奴らが何を怠けていると言うのだろうか。

何も怠けちゃいない、むしろ生物としてその職務をしっかり果たして、強く生きているじゃないか。

全く失礼な話だ。


「で、何が言いたいのあんたは」


俺にもよく分かりません。

確か動物、そう、誰がどんな動物に似てるかっつー話だ。

まぁそれで俺はナマケモノじゃねーかと自分で答えて勝手に憤慨していたわけですが。

いやホント何が言いたいんだ。

実際ナマケモノがどうだろうとどうでもいい。


「じゃあ私は何に似ているかな」


あぁ、そうだなぁ。

うん、迷うことなく犬と答えるよ俺は。

しかも室内で飼うような、ちっこい奴。

ミニチュアダックスフンドとかああいうのね。完全に愛玩用。

家に帰ってくると尻尾振って出迎えてくれるような、愛らしいの。


「それって暗に私がちっさいって言ってない?」


いや可愛いからいいんじゃない?

とか何とか俺は誤魔化したりして。


「じゃあお前から見て俺は何に見えるよ」


少し考えて、彼女は野良猫、と答えた。

何故に野良。猫でいいじゃん猫で。


「だって人になつかなさそうだし、一人で生きていけますみたいな顔してるし」


いやそうでもないんですよ。

案外寂しがりやだったりするんですよ俺も。

そういう顔は、生まれつきっていうか何ていうかね。

ああそれと、と彼女は続ける。


「なついたら甘えてきてくれるところとか、そっくり」


ああなるほどね。

うん、確かに今俺は、餌をくれるあんたに夢中だよ。



                   - 了


あとがき -

毎度おなじみサークル内作品。
今回のテーマは、「動物」。
前回に引き続き、新入生歓迎用のテーマ。
でも簡単そうに見えて意外と難しいっつーか。
結局こんな形にしてみましたがいかがでしょう。
つーか久しぶりにあまあまーなの書いた感じ。
ちなみにこの後にも更にあまあまなの書いていたり。
ま、それもいいでしょナオタ君、ってことで(誰だ

07/05/07


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