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空に煙を描きつつ - 青い空。
きっと、この空を見て、私と同じ考えを持った人物は沢山いることだろう。 っつーか、青くなくちゃ、そりゃ空じゃないから、そうなんだけど。 ま、それは関係なく。 「なんつーか、なぁ・・・」 ほんと、そうなんだよ。 ちっぽけ。余りにも。 世界とか、なんかそんなモノを見てると、私達という存在はなんてちっぽけなんだろ。 いくら私達が一人一人違う思想を持って、違う外見をしていて、違うところに住んでいても、 そんな個性とかなんて、なんでもない。 結局、人間の中のその他大勢、みたいな。 特別な人間だけ存在を認められてて、その他大勢は、なんでもない。 日本国憲法は、こうおっしゃられておる。 国民に主権がある、とさ。 でもね、その国民の一人一人の意見なんて、考えなんて、やっぱり聞く耳待たず、なんだよね。 でっかい存在からしてみれば、さ。 「なーんだかなぁ・・・」 結局、あれなのさ、私が言いたいのは。 みんな、個性があるとか言いつつも、結局、普通の人々っていう一言で済んでしまう存在なんだね。 はぁ、ダメだ。 なんか、私らしくないな。 そう考え、煙草を取り出す。 ちなみにここは学校の屋上。 只今5校時の時間。 さらに、私はここの先生でも、用務員でもない。生徒である。 見つかったら、どうなるだろうねぇ・・・ でも、まだ義務教育だし。 ・・・あと半年あるかないかなんだけど。 きっと、こういう時期になると、みんな行き先が見えなくなって、あれこれ悩むんだろうね。 情緒不安定とかになっちゃってさ。 そんで、私も私なりに悩んじゃってる、生意気にも。 煙草なんて吹かしながら。 悩みがみんなと同じ内容なのかどうかは分かんない。 みんな、確かに普通で片づくその他大勢なんだけど、それでもやはり、 それぞれ違う悩みを持ってらっしゃる。 ・・・そりゃそーだ。 悩みの種なんて、みんな一緒じゃ、それこそ恐ろしい。 でも、きっとみんなの考えは勉強とか、進学とか、友達関係、恋愛のことなど、だろうね。 私の場合、そんなことも考えたりもしたけれど、でも結局考えは飛躍してしまって、 こんなところに辿り着く。 それで、こんないろいろ考えているんだ、って思っても、やはり周りから見ればただのちっぽけな存在。 「ふぅーっ」 溜め息と一緒に、白い煙を出す。 「こら」 っと、お呼びがかかった。 声の方を見ると、そこには若い男がいた。 若い、といっても私より年は食ってる。 そりゃそうだ。 だって、担任だもん。 見た目は、そこそこいけてて、結構みんなに人気があるのだが、 どこかだらしなく見えるのは、ボサボサの、まるで気にしていない髪と、 いつでも煙草を吹かしているから、だろう。 「・・・やっ、先生」 私は、別にやばいとこを見られたとか、そんな素振りを全然見せずに、あっさりと声をかけた。 「やっ、じゃないだろ、お前」 よっ、と言いながらはしごを登ってくる。 「授業は?」 「数学、かな」 「そうじゃなくて・・・」 言いながら、私の隣に腰掛ける。 そして、懐をごそごそとやる。 が、あるべきものがなかったらしい。 ポリポリと頬を掻き、 「1本、もらえるか?」 なんだ、そりゃ。 「・・・ほい。」 が、私も私で渡していたり。 口に加えると、100円ライターを取りだし、火をつける。 ふぅー、っと一息ついてから質問を続ける。 「いかねーのか、ってこと」 「でなきゃ、ここにいるわけないでしょ」 「・・・そりゃ、そーだ」 そう言うと、先生も空を見上げた。 ・・・沈黙。 ただただ、二人とも青くて大きな空を見上げていた。 「・・・先生」 「なんだ?」 ふぅー、と煙を吐きながら、私は続けた。 「人間って、ちっぽけですねぇ」 「なんだそりゃ?」 「いや、ね」 なーにこんなこと聞いてるんだろ、私。 そう思いつつも、言葉を続けた。 「こんな、大きい空みたいな存在からすれば、私達なんていう、一人一人の存在は、 余りにも小さいんだなぁ、って思って」 「ふむ」 珍しいモノを見るような目で、私を見ながらうなずいた。 「確かに、私達っていう存在はここにあるんだろうけど、それは他の者からしてみれば その他大勢で済んでしまうような、ちっぽけな存在で。 私達は、普通なんていう簡単な言葉で片づいてしまう存在なんだなぁ、ってさ」 「ほー、お前も、そんなこと考えたりしてるんだなぁ」 感心した、と言うように笑いながらうなずく。 「そりゃ、年頃ですから。誰だって悩みぐらいあるもんでしょ」 こんなへんぴな悩み持ってる人なんていないだろうけどさ、と心の中で付け加える。 「ま、普通なら恋愛やら、友情やら、この時期なら受験もあるだろうなぁ」 「でしょうねぇ」 「ま、なんにせよ、悩みを持つことはいいことだろ? からっぽの人間よりはさ」 いるのかい、そんな人間。 やっぱ、言うだけ無駄だったかしら。 「でもな・・・」 煙草を指に挟んで口から離し、一息つくと、先生は真面目な調子で言った。 「この空みたいなでっかい存在だって、結局はちっこいモノの集まりでしかないんだぞ。 酸素とか、二酸化炭素とか、そんなモノの集まり。 見かけ倒し、っつーか、結局、でっかい存在っつーのはちっぽけなのさ」 「はぁ」 「そう考えてみれば、人間、っていう全体の大きな存在として考えれば、 確かにそれはでっかいんだけど、でも結局は俺達みたいなちっぽけな存在で出来上がってるんだ。 ようするに、俺達という存在は確かにちっぽけなんだが、でっかい存在なんだよ」 「・・・」 なんだか、よく分からない、ていうかなんつーか。 でも、うっすらと理解できてるような。 例えるなら、箱の中にあるモノを手探りで形だけは分かるんだけど、何なのかはあまり分からない。 そんな感じ。 周りが真っ白い煙で、何にも見えなくて、手探りで道を探ってるような。 そんな感じ。 結局のとこ、 「ま、お前も俺も、ようはでっけぇ存在なんだよ」 分からずじまいなのだったり。 まぁ、こんな漠然とした考えに、ハッキリとした答えなんて最初から存在しないんだろうけどさ。 「だから、俺もお前もそんな簡単な言葉で片がつくような存在ではないんだな」 でもさ、でも。 答えがないよりは、こじつけでもなんでも、何かあった方が、なんとなくではあるんだけど、 安心は、する、かも。 「分かったか?」 「・・・少し」 「だろうな」 まるで、自分でもちゃんとした答えではないことを自覚しているようだ。 まぁ、この人の場合、何考えてるか分からないんだけど。 世の中で、誰が一番自分としての考えを持って生活しているか、という問いがあったとするなら、 私はこの問いに迷わずこの人を答えとして出すだろう。 そんなこと、比較するような問題ではないのだろうけど。 キーンコーンカーンコーン・・・ 5校時終了の鐘が鳴る。 「よし、行くか」 吸い終わった煙草をコンクリートの地面にグリグリと押しつけ、先生ははしごの方へ向かう。 「ほら、何ボーっとしてるんだ。行くぞ」 「・・・どこへ?」 私は本当に学生かよ、と思わず突っ込みの入りそうなことを訊ねる。 「次の授業は?」 「確か、理科」 「俺の科目は、何だ?」 「そーでした」 よいしょ、と立ち上がると、彼に続いて、私もはしごを降りて理科室に向かった。 そうして、私は今日も物思いにふけつつ、くわえ煙草のよく似合う、担任の授業を聞いているのだ。 - 了 あとがき - こんにちは 毎度毎度よく分からないことばかり書いていて、何が書きたいんだよ? とゆー突っ込みが飛んできそうな文を書いてるアキです まぁ、くだらないけれど、読んで頂いて感謝感謝です 今回は、特に題材みたいなモノとかはないです 強いて言うなら日々のもやもや、でしょうかねぇ? 自分がそれで悩んでるようなモノですけど あまりよく分かっていないんですけど、自分でも何を書きたいのか 書いてて思ったことは、こんな先生いたらなぁ、ってことだったりするし。(笑) まぁ、それでも誰かがこれを読んでいるのなら嬉しい限りです それでは、これで ∠short ∠index |